2012年5月7日月曜日

管理者必携! 最強のデータ・サルベージ・ツールを自作する − @IT


 ここから実際にWindows PE 2.0を利用したリカバリ用起動ディスクの作成手順を解説する。今回は、USBメモリではなく、環境を選ばずに利用できるCD/DVD版のWindows PEを作成してみる。

Windows PE 2.0を入手する(Windows自動インストール・キットのダウンロード)

 Windows PE 2.0を利用したリカバリ用起動ディスクを作成するためのキットは、Windows自動インストール・キット(Windows Automated Installation KitあるいはWindows AIK。以下WAIK)として配布されている。これは以下のダウンロード・センターのページからダウンロードできる。

 日本語版WAIKのインストール・パッケージは約700Mbytesと大きいが、これにはWindows PE 2.0が丸ごと含まれている。Windows PEを作成するのにWindows Vistaのインストール・メディアは必要ない。

 ダウンロードできるファイル形式はISOイメージ・ファイルなので、DVDメディアなどに書き込むか、仮想ドライブにマウントして使用する。

リカバリ用起動ディスクの作成環境を構築する

 Windows PE 2.0によるリカバリ用起動ディスクを作成するには、その作業を行うためのPCを用意する必要がある。この作業用PCにWAIKをインストールして、Windows PE 2.0を作成してリカバリ用起動ディスクにする。以下では、WAIKをセットアップする手順を説明する。

■WAIKのセットアップに必要な環境
  WAIKのインストール先ハードディスクには、WAIK自体のインストールだけで1Gbytesほど必要なので、作業領域と併せて2Gbytesほどの空き容量は必要だろう。

 OSはWindows XPやWindows Server 2003でもよいが、本稿ではWindows Vistaを使用する。Windows XPやWindows Server 2003を使用するには、OSのサービス・パック(Windows XPはSP2以降、Windows Server 2003はSP1以降)と追加コンポーネント(.NET Framework 2.0とMSXML 6.0)、修正プログラムのインストールがそれぞれ必要である。WAIKのインストール時のメッセージやリリース・ノート(WAIKのISOイメージの¥README.RTF)を参照していただきたい。なお、Windows 2000ではWAIKを利用できない。

 作業用のPCにはCD/DVDライタがあれば便利だが、必須ではない。WAIKを使って作成したリカバリ用起動ディスクは、ISOイメージ・ファイルに書き出される。CD/DVDライタを備えたPCが別途あれば、完成したISOイメージ・ファイルをそのPCでメディアに書き込めばよい。


。isoファイルを焼く方法

■WAIKのインストール
 用意した作業用PCにWAIKをインストールするには、WAIKのインストール・メディアから自動起動させるか、メディア内の¥StartCD.exeを起動して、[Windows 自動インストール キットの開始]を開く。そこから[Windows AIK セットアップ]をクリックして、インストーラを起動する。インストール・ウィザードで選ぶのはインストール先フォルダくらいなので、難しいことはないだろう。

 インストールが完了したら、WAIKのインストール・メディアはもう必要ない。

■Windows PE Toolsコマンド・プロンプト
 WAIKをインストールすると、[スタート]メニューに[Microsoft Windows AIK]が登録される。リカバリ用起動ディスクの作成には、このメニュー内の[Windows PE Tools コマンド プロンプト]を使う。使うといっても、このメニュー項目をクリックするだけでは、コマンド・プロンプトが開くにすぎない。Windows PE 2.0の作成は、このコマンド・プロンプト内でいくつかのコマンドライン・ツールを使って行う。GUIのツールは用意されていない。

 残念ながら、コマンドライン・ツールは日本語化されていないものもある。だがシンプルなリカバリ用起動ディスクを作成するだけなら、次に解説するように、定型的なコマンド入力だけで済む。英語のままでも恐れる必要はないだろう。

 なお、コマンドライン・ツールには管理者だけが実行可能なものもあるので、[Windows PE Toolsコマンド プロンプト]は右クリックして[管理者として実行]を選んで開く必要がある。

リカバリ用起動ディスクのイメージ・ファイルの作成

 リカバリ用起動ディスクのイメージ・ファイルは、次のような手順で作成する(点線で囲われた項目は省略可能な作業)。

 それぞれの手順について、以下に解説する。作業フォルダは、C:¥WinPEを例として用いる。

■作業フォルダを作成する(copype)
  まず、イメージ・ファイルなどを格納するための作業フォルダを作成する。これには、[Windows PE コマンド プロンプト]でcopypeコマンドを実行する。使い方は下表のとおり。

 本稿では32bit(x86)アーキテクチャのPC向けにWindows PE 2.0を作成し、また作業フォルダとしてC:¥WinPEを使用するので、以下のように実行する。作業フォルダC:¥WinPEはcopypeコマンドによって自動的に作成されるので、先に作成してはいけない。


システムショック2 Windowsの互換性

 copypeの実行が完了したら、C:¥WinPEの下にはISOフォルダとmountフォルダが作成されているはずだ。これらがリカバリ用起動ディスクの原型となる。具体的には、リカバリ用起動ディスクそのものの内容がISOフォルダ以下に、Windows PE起動後のシステム・ドライブの内容がmountフォルダ以下に、それぞれ構築される。詳細は後述の「ISOフォルダとmountフォルダ」で説明する。

■WIMイメージからWindows PEを展開する(imagex /apply)
  copypeで作業フォルダを作成したら、次に、Windows PEをWIMイメージからmountフォルダに展開する。これには、[Windows PE コマンド プロンプト]でimagex /applyコマンドを実行する。

 本稿では作業フォルダがC:¥WinPEなので、imagexのコマンドラインは以下のようになる。実行すると、展開が完了するまでしばらく時間がかかる。

imagex /apply C:¥WinPE¥winpe.wim 1 C:¥WinPE¥mount

 imagex /applyの実行が完了したら、C:¥WinPE¥mountフォルダには、Program FilesフォルダやWindowsフォルダが作成されているはずだ。これらがWindows PEのシステム・ファイルである。

■オプション機能を追加する(省略可能)
  Windows PEには、WMIサポートやWSHサポートなどのオプション機能があり、必要に応じて追加できる。オプション機能が不要であれば、この手順は省略してもよい。

●オプション機能のインストールの確認(peimg /list)
  Windows PEにインストールされているオプション機能を確認するには、[Windows PE コマンド プロンプト]でpeimg /listコマンドを実行する。

 本稿ではC:¥WinPEを作業フォルダとしており、Windows PEをC:¥WinPE¥mountに展開しているので、コマンドラインと実行結果は以下のようになる。

C:¥Program Files¥Windows AIK¥Tools¥PETools>peimg /list C:¥WinPE¥mount¥Windows
Windows 用プレインストール環境イメージ セットアップ ツール
Copyright (C) Microsoft Corporation. All rights reserved.

カルチャ:          ja-JP
タイムゾーンのオフセット: (GMT+09:00) Osaka, Sapporo, Tokyo
タイムゾーンの名前:   "Tokyo Standard Time" (/timezone を使用してください)


トーストファイルOSXを開く方法

言語  | バージョン       | インストール | 名前
------+---------------+-----+---------------------------------------
      |6.0.6000.16386 |  +  | WinPE-FontSupport-JA-JP-Package
------+---------------+-----+---------------------------------------
      |6.0.6000.16386 |  -  | WinPE-FontSupport-KO-KR-Package
------+---------------+-----+---------------------------------------
      |6.0.6000.16386 |  -  | WinPE-FontSupport-ZH-CN-Package
------+---------------+-----+---------------------------------------
      |6.0.6000.16386 |  -  | WinPE-FontSupport-ZH-HK-Package
------+---------------+-----+---------------------------------------
      |6.0.6000.16386 |  -  | WinPE-FontSupport-ZH-TW-Package
------+---------------+-----+---------------------------------------
ja-JP |6.0.6000.16386 |  -  | WinPE-HTA-Package
------+---------------+-----+---------------------------------------
      |6.0.6000.16386 |  -  | WinPE-HTA-Package
------+---------------+-----+---------------------------------------
……(中略)……
------+---------------+-----+---------------------------------------
      |6.0.6000.16386 |  -  | WinPE-XML-Package
------+---------------+-----+---------------------------------------

15 パッケージを一覧表示しました。

PEIMG は、操作を正常に完了しました。

C:¥Program Files¥Windows AIK¥Tools¥PETools>

インストールされているオプション機能の確認
Windows PEのオプション機能がインストールされているかどうかは、peimg /listコマンドで確認する。出力された表の左から3列目が「+」であれば、そのオプションはインストール済み、「-」であれば未インストールである。デフォルトでは日本語のサポートだけがインストールされている。

 オプション機能は「パッケージ」という単位で扱われる。peimg /listの出力の[インストール]列における「+」はオプション機能のパッケージがインストールされていることを、「-」はインストールされていないことをそれぞれ表す。

 オプション機能のパッケージ名とその機能は、以下のように対応している。

 デフォルトでは日本語のサポートだけがインストールされているので、必要に応じてオプション機能をインストールする。


●オプション機能のインストール/アンインストール(peimg /install、/uninstall)
  オプション機能をインストール/アンインストールするには、[Windows PE コマンド プロンプト]でpeimg /installとpeimg /uninstallコマンドを実行する。使い方はそれぞれ下表のとおり。

 本稿の例(作業フォルダがC:¥WinPE)で、WSHをインストールするには、次のように実行する。

peimg /install=WinPE-Scripting-Package C:¥WinPE¥mount¥Windows

 逆にアンインストールするには、次のように実行する。

peimg /uninstall=WinPE-Scripting-Package C:¥WinPE¥mount¥Windows

 オプション機能のパッケージ名とその内容については、前述の「オプション機能のインストール/未インストールの確認(peimg /list)」を参照していただきたい。



更新履歴
【2007/10/26】 Windows PE Toolsコマンド・プロンプトは[管理者として実行]メニューから起動する必要があることを追記しました。

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